病院長挨拶

十和田済誠会病院

院長 江渡 篤子

当院は、昭和30年12月に財団法人済誠会、緑が丘病院としてわずか20床の規模で開院しました。当時、日本の精神科医療を取り巻く環境は、明治時代から続いていた社会防衛的側面の特徴が色濃く残り、世界の精神医療からも遅れを取っていました。

 また、20世紀の日本における精神科医療の変化は、まさに目まぐるしいものであったと言えます。そんな環境や変化の中、当院も規模や体制を変えながら、ここ十和田市で60年以上の歴史を刻んできました。

 現在の日本では、医療全般が飛躍的な進歩を遂げ、平均寿命が男女とも伸びる一方で、少子高齢化という深刻な課題を抱えています。この現状は、精神科医療にも密接な関りが生じており、更なる高いレベルでの精神科医療が求められる時代となりました。

 厚生労働省から発表された精神科医療の方針の中の代表的な内容として、長期入院者の減少を目指すという指針があります。地域の関連施設や機関と連携を図ることで、この指針は実現されていくものだと考えています。

 当院としても、『地域に開かれた機能的病院として、チーム医療の推進と質の高い医療を提供する』という理念に基づき、患者様ひとりひとりに寄り添うことができる精神科医療の担い手として、健やかな社会を実現する一助となれば幸いです。

 豊かな社会生活は、国民が皆、未来に期待を抱くことができ、様々な不安を少なくすることで、実現されていくものです。

我々、十和田済誠会病院は、今後も、患者様および患者様のご家族目線の医療を念頭に置き、職員一同、職務の研鑽に努めてまいりますので、安心してご来院ください。